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特定秘密保護法の次に来るもの

Usluge

昨夜、参院本会議にて特定秘密保護法が可決されました。

2000年代の前半、私は社会起業家として実業に従事する一方で、東京財団マニフェスト研究会に参加していました。「日本の民主主義を進めるにはマニフェストが効果的であり、民主主義の土台は情報公開にある」との一念で、マニフェストという概念が当時まだ社会的にほとんど知られていなかった中、普及啓発の活動に従事していました。マニフェストはその後普及し、社会状況は変わり、マニフェスト選挙で多くの首長が交代し、そして政権交代が起こりました。

「時代が進むにつれ、社会は進化していく」と誰もが信じて来ました。1995年にウィンドウズ95が登場し、インターネットは誰もが接続できるようになりました。その後スマートフォンの登場と、ソーシャルメディアの普及が車の両輪となり、情報の発信・拡散は極めて手軽に迅速に誰もができるようになりました。

一方で、インターネット革命の象徴の一つであった YouTube を用いて、尖閣に接近した中国船舶を撮影した海上保安庁職員の映像が国民の目にさらされる事となり、秘密保護法制について民主党政権が検討を具体化しました。

周知の通り、自民党・公明党は衆院選(2012年)、そして参院選(2013年)にて特定秘密保護法をマニフェストに掲げていませんでした。参院選は「ねじれが解消されるか」「景気対策」が論点でした。公約にないことを実行され、今状況はすっかり様変わりしてしまいました。

「まさか今回自民が牙をむくはずはなかろう。まずは成長戦略であり、被災地の復興だ」と思っていた国民が大多数だったと思います。しかしその「まさか」が起こり、過去様々あった重要法案の中でも短時間の審議で可決してしまいました。

今回、野党は考えうる中では精一杯の抵抗を示したかもしれません。ですが、足並みは揃わず、与党に押し切られて終わってしまいました。危機感を感じた多くの一般市民が日本各地や国会で抗議の声をあげても、届きませんでした。

ですが、先の参院選が歴史的な低投票率だった瞬間から、今の事態に至るのはプログラムされていたと考えるのが自然であり、投票にいかなくとも、と政治をなめてしまった私達有権者の責任は大きく、やりきれません。

安倍政権が発足したときに、野党が自民を軽く見ていたふしがあるように思います。ですが自民党は下野している間に、モデルチェンジを果たしていました。

かつての自民党ならば無所属から入党した人や、他党から戻った「出戻り」議員は亜流として重職にはつけませんでした。ですが安倍首相はご自身も「再チャレンジ」ですが、女性議員や出戻り議員などに重職に就いてもらい、かつ総裁選で戦った相手も閣僚につけて、今までの自民党にない党・政府運営の多様性を実現しているのです。

カルロス・ゴーン氏も説くように、多様性は力です。かつ出戻りや無所属出身の方々など、今まで自民で長く辛酸をなめて来た人々が重職に就いたのですから、モチベーションは半端ではありません。TPP、消費増税、沖縄問題等、通常の内閣ならば1つやれれば充分とされてきた案件を複数同時進行で一気に進めて行く底力を持っています。よって野党が今後自民党に対抗する力をと考えるならば、小さくまとまるのではなく、多様性ある優れたメンバーで大きく勝負できねばならないのではと思います。中央政界で当選回数を重ねた順送り人事でなく、若くビジョンと戦略あるリーダーを抜擢する必要があるのではと思います。

特定秘密保護法の次に来るものは何でしょうか。憲法改正になります。安倍首相の祖父の岸元首相以来の悲願ですから、今回よりももっと果敢に政府与党は事を進めると思います。96条、そして9条。じわじわと状況が変わって行きます。好むと好まざると、国民一人一人がだんだんだんだん巻き込まれていく。

「時代が進むにつれ、社会は進化していく」と私たちは信じて来ました。ですが、今発生している事は「まさか」と大多数の私たち国民が想定していなかった、先祖帰りです。関東大震災(1923年)の2年後に治安維持法(1925年)は可決されました。

まさかインターネット普及率が8割の日本において、秘密国家が実現できたら、世界でも驚きです。実際技術的には秘密保持は困難と私は思います。ウィキリークスで容易に流出します。特定秘密保護法で規制された情報が海外で知られたら、特定秘密に当たらなくなるという答弁もありました。クラウド全盛の現代社会においてデータはザルのように抜けて行きます。だが、国民を「テロ関係者だ」と恣意的な基準で迫害する事が可能になりましたので、国民が萎縮し、一層活力が失われ、かなり窮屈な社会になっていく懸念は残ります。

ですが、歴史は振り子のように揺れながら進んで行きます。内閣支持率が下落し求心力が失われて行けば、将来的には特定秘密保護法の改善か廃案も可能になるかもしれません。三権分立なのですから、裁判所による違憲判決の可能性もあるかと思います。今回は日本が真の民主主義国家になるための過程だったと、後年振り返られるように、将来の世代にはこの苦痛は引き継がないように、今後も一市民として私も尽力して行きたいと思います。

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