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田辺大氏が見た中国・韓国の社会起業家の最新動向

2010年11月に中国・韓国の社会起業家を訪ねる旅を実施させて頂きました。2011年1月に世界銀行東京事務所にてコーヒーアワーが開催され、私は帰国報告の講演を申し上げました。その様子を日中市民社会ネットワークさんがブログにて執筆くださいました。中国・韓国の社会起業家や、社会の最新動向にご関心ある方は、ぜひこちらをご覧ください。

(以下、引用です。)


田辺大氏が見た中国・韓国の社会起業家の最新動向
Posted on 2011/02/09 by Matsue

http://csnet.asia/archives/3660

2011年1月17日、東京・内幸町の世界銀行情報センターにて、同センター、障害分野NGO連絡会(JANNET)、日本財団の共同で「第33回コーヒーアワー・障害と開発シリーズ-障害者の社会的起業」が開催され、オフィスマッサージ「手がたり」創始者の田辺大氏が「中国の障害者雇用の社会的企業、並びに中国・韓国の社会起業家の最新動向」と題して、2010年11月下旬に視察した両国の様子を報告した。

中国の概況について-田辺氏はまず、以下の点を指摘した。

急速な経済成長と社会の課題の増大に伴い、企業が財団を設立し市民活動を支援する動きが活発化している。北京では財団が、上海では地方政府が強い
四川大地震が発生した2008年は中国の「ボランティア元年」となり、多くの社会起業家や活動団体が生まれた
昨年来日した中国の著名ブロガー安替氏が指摘するように、ツイッターは中国における初めての、完全に自由な言論空間となった。政治対話、デモや拘留者釈放の呼びかけなど、今まで許されなかった話題が飛び交っている。若者は自由な言論は財産だと認識しており、米国はこの新動向に非常に注目、積極的に利用している。
主な訪問先
 今回田辺氏の訪中をコーディネートしたのは、前回(2008 年)と同じくGLI上海事務所だ。(GLIによる今回の田辺氏訪中記事はこちら)今回の主な訪問先は以下の通り。

上海ソーシャル・イノベーション・パーク   上海市政府所有の建物を改装した官設民営のインキュベーション施設。NPOを入居させ、家賃の補助などを行って自立支援を行っている
WABC(Worker Art Brut Culture-無障碍芸途)   知的障害者に研修を行ってアート能力を開発し、絵やデザイン品を販売。担い手の顔写真を廊下にスタイリッシュに展示。地下鉄カードともコラボ
芸林優愛盲人支援会   視覚障害者の雇用支援。マッサージ訓練の様子を見学した
小龍包協力事務所   30代のデザイナーが四川大地震のボランティアをきっかけとして起業。ろう難聴者の卓越したビジュアル能力に注目し、デザイン分野での就職を支援
レインボーブリッジ公益社  障害者作業所の作品をフェアトレードと組み合わせて販売
Home Sweet Home愛之家  ホームレスかつ身体障害者の雇用創出事業 3年前に比べ、チャリティ型になった
 このうち、3、5、6の創始者には2年ぶりの再会となったが、3と5の創設者は2008年に田辺氏の講演を聴いたことが起業のきっかけとなり、当時田辺氏から聞いた「社会的企業は戦略が大事だ」という言葉を今実感としてわかるようになったそうだ。1の中にある知的障害者を雇用したカフェには2010年8月にCSネットのコーディネートでスワンベーカリーの海津社長が訪れて講演をした。つまり産業面のみならず市民セクターでも日本の経験を前向きに吸収する動きがすでにある。日本の経験を中国と共有し、数年後には彼らが中国で大きなプレーヤーになっている可能性がある。そういうプロセスを共有できるのが、中国とやりとりする醍醐味だと田辺氏は語った。

韓国の状況について-田辺氏は以下の点を指摘した。

韓国は列強に囲まれた国であるため、IT投資、外交に力を入れている。社会に課題が多いため、若者は社会を変えたいと思っている
アジア通貨危機により社会的起業へ関心が向かい、2007年に社会的企業育成法を施行し、3年間の人件費を助成した。終了する今年が正念場で、自立的経営に移行できない社会起業家やNPOは苦しい状況になっている。
「アジア社会起業サミット2010」
  アジア以外からもアショカのアドバイザーなどが参加しており、起業家のリサーチを行っていた。韓国の若手社会起業家からは日本とももっと突っ込んだ交流がしたいという意欲を感じた。一押しの若手は新卒で広告ビジネスを起業したキム・ジウォン氏。地域経済を担うNPOや中小企業の広告力不足を、おしゃれなサインボードを使ったパフォーマンス広告で応援し、同時に競争社会からスピンアウトした若者をパフォーマーとして雇用する。
  参考:同サミットについて、補完通貨研究所の廣田裕之氏のレポートはこちら

  田辺氏からの講演に続いて、Q&Aセクションでは、「障害者雇用やCSRは、日本にいる自分は市場や業界がまだまだ小さいと感じている。会社経営者として汎用性と競合優位性の相反するバランスをとるのが難しいが、アジアの社会的企業経営者や田辺氏はどのように考えているのか」という質問があった。田辺氏は、「上海ではソーシャル・イノベーション・パークなど新しい試みはあるが、補助金頼みという面もあるし、民間も経営基盤はまだ固まっておらず、彼らも悩んでいる。スピードの速さ、財団からの資金、巨大NPOを創るという野心など日本にないものもあるが、発展ステージとしては我々と近く、同じように悩んでいる。普遍性と優位性のバランスについて、自分は障害者の起業において普遍性は非常に大事だと思っている。WHOによれば世界人口の一割以上が障害者。世界中に6億5千万人の障害者がいる限り、障害者支援事業は繁栄に向かって行く。日本からオフィスマッサージという障害者雇用事業のビジネスモデルを輸出してくれという話をアジアからいくつももらい、グローバル展開という新しいミッションが見つかった。広い視野で考えることが重要。同時に障害者理解というエッジを効かせる。障害者が働きやすい職場づくりを目指せば、社会がよくなることに繋がる。社会によって障害者が生み出される側面もあって、我々健常者が先入観を持って線を引くので障害者が孤立しがちなのでは。我々が多様性を認め、障害者理解を進めることが鍵となる」と答えた。

 田辺氏のブログはこちら

文責:松江直子

(CSネット 2011年2月9日)

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