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【中日新聞 社説】ホーム転落事故 目を閉じて歩けるか

「実際に、ホームを目を閉じて歩いてみた」と、目に障がいのある方々の模擬体験をされ、駅のホームの恐ろしさが伝わってくる社説を、中日新聞さんが執筆されています。

(以下、引用です)

ホーム転落事故 目を閉じて歩けるか

http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2011012402000009.html

 東京のJR目白駅で命を落とした全盲の男性が警鐘を鳴らしているかのようだ。ホームの点字ブロックが役目を果たしていない恐れが判明した。鉄道会社はいま一度弱者の声に耳を澄ませてほしい。
 いつも使う駅のホームでいつも電車を乗り降りする場所に立ち、両目を閉じてみた。よく見知っているはずなのに、たった一歩を踏み出すのに背筋が凍りついた。
 目の不自由な人たちは経験と知恵を積み重ね、大変な恐怖と日々闘っているのだろう。ホームの端っこに敷かれている黄色い点字ブロックはそんな彼らを支える大事な命綱である。
 目白駅のホームで転落死した全盲の武井視良(みよし)さん(42)の事故をきっかけに、彼を知る全盲の男性を伴って現場に立った。目の見える人には見えないような点字ブロックの欠陥が浮かんだ。
 男性はつえの先で足元を探った。タイル張りの床の目地が邪魔になってブロックの突起のありかが確かめにくい。ブロックに乗ると、突起と床が同じ高さだ。しかも丸い突起は大きめでたくさんある。靴底では平たんにさえ感じられる。そう言って驚いた。
 JR東日本によれば、目白駅のバリアフリー化の工事をしたのはほぼ十年前だ。国の指針にのっとったという。その後、指針は二度改定された。今の点字ブロックの形状はひと昔前のタイプだ。
 ルール違反がないとしても、ホームの点字ブロックの位置が分かりづらくては、目の不自由な人にとって命取りになりかねない。鉄道会社は障害者や高齢者の身になって問題点を改善してほしい。
 ホームでの死傷事故は後を絶たない。だが、事故防止の切り札とされる可動式ホーム柵やホームドアの設置がはかどらない。
 全国にある約九千五百の駅のうち、実現したのは約四百五十にとどまっている。JR東は山手線の全二十九駅につくる計画だが、あと七年かかる。まだ恵比寿と目黒の二駅にできたばかりだ。
 費用や技術のハードルが高いというが、利便や利益の追求にかまけてこれ以上、犠牲者を増やすことは許されない。真っ先に導入してもらいたい。 
 「普通の人と一緒にスポーツを楽しみたい」。武井さんはそう願って音の出るボールをつくり、目が不自由でもできるブラインドテニスを考案し内外に広めてきた。
 視覚障害者の夢に向かって奔走していた大切な人の命を非情なホームが奪い去った。

(中日新聞 2011年1月24日)

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