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駅のホームドア設置は、少子高齢化時代で少ない人口を守る為に必要な公共投資

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16日に山手線目白駅で武井実良さんが転落事故により死去され、時間の経過とともに、駅にホームドアがなかった事を指摘する報道が増えてきています。

16日の事件直後は「全盲男性の転落事故」という第一報でした。

その後、報道機関での調査が進み、「駅のホームは『欄干(らんかん:手すりの意)のない橋』と視覚障がい者や盲ろう者は捉えており、JRでもホームドア設置を山手線で開始していた矢先の事故だった。国内外から尊敬されているブラインドテニスの創設者を若くして私たちは失ってしまった。」という論調へ移りました。

さらに「ホームドアを設置するだけでよいわけでなく、私たちが日常から障がい者への声がけなど、どう接するかが重要。タイガーマスク運動のような社会の機運がある中の悲劇」という、私たちの心のあり方について問いかける著名人もいらっしゃいます。

なお、故人の名前は(本名は武井視良ですが)、対外的に報道で生前の本人が希望されてきたのは「武井実良」であり、これまでの「視良」の表記は誤報だったのかと反省されるブロガーの方も現れています。

そして、駅のホームドア設置は障がい者対策に限られない、という新しい意見がツイッターで現れています。

三田線沿線にお住まいで、3人の娘さんの育児中である @yasutoshijp さん は「三田線にホームゲートが設置されたときはうれしかった。 あれがなければ、娘だけで電車は乗らせてはいない。 そう、三田線並みのスピード感で、山手線も設置して欲しい。 あと、ホームゲートと電車の間にひとがはさまるんじゃないかと、常々不安。」

駅のホームドアは障がい者のみならず、ほろ酔いのサラリーマン、足の悪いご高齢の方や、走り回る子供にも重要と思います。健脚な国民が多くホームドア無用の高度成長期から、少子高齢化時代に変わり、安心の土台作りに新しい考え方が必要と思います。

オバマ政権はグリーンニューディールとして環境投資を進め、日本でも参考にする動きがあります。

しかし福祉の観点でも将来投資のテーマはあり、駅のホームドア設置は、少子高齢化時代を前向きに生きる公共投資として位置づけられると考えられます。なぜなら、グローバル競争に日本人もさらされ、社会状況がかつてないほど流動的になっています。そのような中、勝負をしたいとしても、見通しや足下が安心できねば、人間はリスクを取れません。

人間には移動権があるとすると、その移動を安心して行える公共インフラとして、駅のホームドアをみることが出来ると思います。少なくなっていく、かけがえない人口で、もはや新たな犠牲を一人でも出さない為に。

@yasutoshijp さんのツイートをきっかけに、私も上記の気づきがあり、それをツイートしたところ、子育て中の方々から賛同のリツイート(RT)が入り始めました。駅のホームドア設置は、障がい者だけが求めているのではないのです。

翻って、@ala_la さんがツイートされているように、2001年にも新大久保駅で転落事故がありました。この時はホームから転落した泥酔者の方を救おうと韓国人留学生と日本人カメラマンがとっさに線路に降りましたが、やってきた電車に3人ともはねられ死亡しました。ですが、今回の武井実良さんの転落事故で書かれたブログ記事でも、ホームドア設置をしていれば、悲劇は起こらなかったと指摘されています。

新大久保駅の転落事故(2001年)岡山駅突き落とし事件(2008年)と悲劇が続いても、抜本的な対策としてのホームドア設置へ議論が向かいにくかったのは、「駅のホームを使用するのは健脚のビジネスマンたちだ」という高度成長期の前提が鉄道会社の経営陣に残っていたからと考えられます。

今は、少子高齢化時代です。少ない人口をいかに守り、その上で世界と勝負して、いかに躍進の機会を探るかという新しい考え方が必要です。攻守における守として、人々の移動権の安全確保として、駅ではホームドア設置を標準とする必要に迫られています。国会であれ、地方議会であれ、超党派で検討と合意が至急必要な案件と思います。

冒頭の写真のように、スペースは数十センチで設置されていました。私にはホームドアを置けるか置けないかは、狭いというホームの寸法でなく、危機感の問題と思います。

鉄道会社は「車両によりドアの位置が違う」といいますが、人命よりドア位置が優先されるのでしょうか。安全第一として、電車のドア位置を一定に規制する政策が必要と思います。車両設計者やデザイナーの方々は、ドア位置を決められたらその中で最善のものを考案されると思います。

少子高齢化時代の安全思想として、駅のホームドアは位置づけられます。私鉄でも導入すれば、魅力がアップしブランドが向上します。海外にも安全の交通システムとして輸出できるでしょう。大きく考えて、新しいインフラ整備を進めるべきと私は思いますし、もたもたしていると、新たな犠牲者が出てしまいます。

急務です。

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