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世界的な脳科学者、ティナ・シーリグさんが語りました。

先日、ティナ・シーリグさん(Tina Sileeg『20歳のときに知っておきたかった事』著者、 Executive Director for the Stanford Technology Ventures Program)の講演をグロービス経営大学院東京校にて伺う機会がありました。

会場となりましたグロービス経営大学院は、すばらしいと思いました。大学院進学を検討中との方からツイッターで質問を頂きましたが、私は「学生や学校にやる気があるか」は学校選択のポイントと思います。日本の多くの大学院がゆるゆるへ向かう中、良い緊張感を同校のキャンパスで感じました。

まず、講演要約は、こちら(日本語)と、こちら(英語)のご参照をお願いします。

Mac を駆使したプレゼンテーションであり、リズムカルに映像やスライドが繰り出され、美しかったです。
会場との対話を基調に進めていくのは、シリコンバレースタイルで心地よかったです。

ティナ・シーリグさんは脳科学者であると私は思います。ベンチャーの世界的な集積地であるシリコンバレーに隣接したスタンフォード大学にて、独創性の研究、そして起業家教育をされ、世界的な知の巨人であると感じました。

講演では、多くのキーワードが響きましたが、中でも Attitude (態度) についてでは、「後ろ向きの態度では、後ろ向きの結果に至りやすい」という指摘がありました。日本社会が前向きになる必要が共有されました。

そしてご講演では触れられなかったですが、重要と思われた以下の点について、私は質疑応答で質問しました。

「2つ質問があります。まず、リスクテイクの大切さとも関係しますが、ご著書ではタイやスウェーデンなど、失敗について国際比較をされています。失敗についてどうお考えか、改めて、お話をいただけますか?

そして、ご著書ではエンデバー (endeavor: 中南米の起業家支援団体、世界的に評価されている社会的企業)が2回登場します。社会起業家精神 (Social Entrepreneurship)や 社会イノベーション (Social Innovation) についてどうお考えですか?」

シーリグさんは、次のようにお答えされました。

「リスクを取る事が最も重要ですが、次に重要なのが失敗とどう向き合うかです。
失敗には、悪い失敗と良い失敗があります。
悪い失敗は、例えば何も挑戦せずに時ばかりが過ぎて、もはや手遅れになり苦境に立たされる事です。
良い失敗は、事前にこうなるだろうとの仮説を立てて、挑戦し、しかし実際は違ったと分かる事です。

次に、社会起業家精神(Social Entrepreneurship)についてですが、私は講演でも紹介したように、例えば名札のようなレッテルを貼るものが嫌いです。ですので、社会起業家精神という言葉も、私は好きではありません。起業家とは本来問題解決をするものであり、あえて社会起業家という呼び方を別に設けることで、起業家と分けようというのは、いかがかと思います。」

私は、シーリグさんの見解は正しいと思いました。

例えば、国内では堀江貴文さんもブログにて「社会起業家とか眠たいこと言ってんじゃねーよとか私は思うけど。」と指摘されていますが、本来起業家とは社会貢献を視野に入れています。

海外では、シーリグさんがいらっしゃるシリコンバレーでは、TEDに象徴されるように、イノベーティブに、営利追求と社会貢献を融合させていき、社会を変えていく動きも珍しくありません。

先日、上海へ私たちは伺いましたが、インキュベーションオフィスの新単位も新たな息吹や、創意工夫にあふれています。

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もしかしたら、本質的に考えると、社会起業家という呼称自体、今の世界的な時代の転換を経て、早くも旧時代のものになりつつあるのかもしれません。営利と非営利が融合されていなかった時代において、やむなく生まれた言葉かもしれません。

まだ考えの途中ですが、もしシビアに考えると、アメリカ東海岸のエリート臭の強い言葉と解する人もいるかもしれないと感じました。アメリカでは"Social"という言葉に、社会主義のイメージを感じ、嫌悪感を示す人も少なくありません。

私はこのブログを運営し、ウィキペディアにて初めて「社会起業家」の項目を開設し、市民とメディアの方々に実践と理論を紹介して来た者として、日本における社会起業家という概念を広げてきた草分けの一人との自覚をしています。今回のシーリグさんの指摘は、社会起業家ムーブメントにとっては辛口のご意見かもしれませんが、違う意見も透明に紹介する事が大切と考え、今回、ブログに記しました。

終了後のサイン会にて、シーリグさんへご挨拶をしましたところ「 I love your enthusiasm! (あなたの熱意が大好きです!)」とのお言葉を頂きました。世界の知の巨人から、過分のお言葉に恐縮しています。

シーリグさんが講演にて紹介されたスタンフォードのサイトは、下記です。
http://ecorner.stanford.edu/

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