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「新しい公共」円卓会議への問題提起(言論NPOさんから重要情報です)

(以下、引用です。 田中弥生さんからお知らせを頂きました。)

お元気でしょうか。
田中弥生です。

さて、鳩山首相のイニシャティブのもと「新しい公共」

円卓会議が1月より開催されています。

その一貫として、4月8日は税制調査会(市民公益PT)より、寄付税制に関する中間報告が出され
認定NPO法人に対する寄付については、所得税の税額控除(50%)、そしてNPO法人に
より多くの寄付免税資格を付与することを狙いに、要件を満たしていなくても「仮認定」制度が提案されました。
これが寄付者の視点にたって詳細設計されてゆくものか、注目する必要があると思います。

5月14日には、同円卓会議の宣言文案などが提示されています。ここでは、国民が主役とは述べていますが、
新しい公共の重要な担い手は企業であると述べ、民間非営利組織の役割については、行政との協働の対象に
留まっています。換言すれば、市民社会の視点がここからはすっぽり抜けているように見えた次第です。
驚きました。

言論NPOの工藤ブログ(動画)に所感をアップいたしました。
http://www.genron-npo.net/kudo/podcasting/post_8.html

内容も下記に貼り付けておきます。
新しい公共は、私たち市民ひとりひとりに直接かかわる政策でもありますので、同会議のHPも含め是非
ご覧いただければ幸いです。

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田中: 工藤さん、こんにちは。ずいぶん久しぶりの工藤ブログですが、この間何をされてたん ですか?

工藤: 東京-北京フォーラム関連で中国に交渉に行っていたり、「エクセレントNPO」の議論作りのための準備をして、ずいぶんと大 変だったんです。ただ、もう参院選が迫っていますし、これまでのように政策やマニフェストを評価して、言論NPOが考えて いることをどんどん伝えていきたいと思います

田中: 各党がマニフェストを出していますので、皆さん工藤さんの発言を待っていると思いま す。そういう意味では、鳩山さんが予想以上に力を入れていた政策に、「新しい公共」があります。すでに、4月8日に寄附税 制に関する税制改正の中間報告書が提出され、そして5月14日に「新しい公共」円卓会議から「宣言文案」というものが記者発表されて いますので、今日はこれを中心にお話しいただければと思います。

工藤: 僕はこの前その宣言文案を見て、正直言って、かなり驚きました。というのは、鳩山さんは所信表明演説では、多くの市民や NPOの力を「新たな公共」と呼んで、それを支援することによって担い手を作っていくという言い方だったんですが、円卓会議での議論 を見ると、市民の「し」の字もないし、市民社会の視点が欠如し、非常に軽く見られてしまっている。政府税調の中での税額控 除を含めた支援税制の問題もありましたが、それは何のためにやるのか。本来であればそれは、新たな公共の担い手のためにやるためなの に、政策目的と政策手段が全く連動していない。

田中: 最初にNPOをターゲットにして、所得税の税額控除という思い切った寄附税制を入れ て、広く寄附認定資格を与えましょうと言っているわりには、当の非営利セクター、NPOセクターにどういう役割を期待する のかということが、何ら記されていないわけですよね。

工藤: そうです。これをみると、NPO全体の状況分析、課題分析ができていないし、HPを見ても課題の認識、抽出が甘い。担い手に ついても、企業とか行政との協働という概念を出してくることによって、「行政のスリム化」ということに話を矮小してしまった。本 来新たな公共の担い手ということの、大きな意味での設計、ビジョンはどこに行ってしまったのか。このようなパッチワーク的な流れを続 けていくと、市民の自発的参加を唱えたNPO法そのものがなくなってしまうのではないかという大きな危機感を持っています。

田中: 寄附税制に伴い認定NPO法人制度をいじったわけですが、これにより、認 定と認証の基準の差はほとんどなくなってくるので、一体NPO法そのものはどうなるのかという問題もありますし、要件緩和を続けるう ちに不特定多数の利益というところも消えてしまっている。NPO法の目的と精神が解体されるのではないかと私も懸念していま す。

工藤: 鳩山さんが言っていることが本当に正しいのであれば、この政策の目的は、新たな公共の担い手としてのNPOを多くの市民が支 えることによって、人間らしい社会を作っていきたいということだったはずです。それに対する答えが非常に曖昧になってし まったわけですね。つまり、NPOや市民社会の可能性を軽視し、あまり期待していないということが見えてきたわけです。
 ではどうやって担うのかというと、今の政府にある発想は、所詮は「行政のサービスをだれが担うのか」ということです。行政のサービ スのうち収益性が高いところに関しては、行政じゃなくて企業にやらせましょう。そうでないところに関しては、行政の協働という形にし て、行政の範囲をカバーしようという発想なのです。これは田中さんがよく指摘して いる「行政の下請け化」ということですよね。
 しかし、私たちは「行政をだれが担うのか」という話をしているのではなくて、「公共をだれが担うのか」という話をしているのです。 市民がつくっていく公共というのは、行政が考える公共サービスの概念を超えるんですよ。その可能性があるんです。行政が肥 大だから市民社会が小さくなっているのではなくて、行政だけでは本当に必要な公共サービスが提供できない限界があるから、市民が公共 サービスに参加しているのです。ただ、その参加するための受け皿が弱いために、それをどうするのかということが、「新たな公共」の 制度設計の思想だったはずです。
 今回の政策では方法論が大きく崩れてきたので、これはかなり大きな問題になってくると思っていますね。

田中: そうですね。円卓会議の議論を聞いていても、行政の下請けが問題になっているという ことは多くの方がおっしゃっているのですが、その解決方法は、行政からの委託金の出し方を修正すれば下請け化はなくなるという発 想なのです。しかし、いま問われているのは、非営利組織、非営利セクターの生き方そのものだと思います。

工藤: その通りです。まさにそれがNPO法の精神だったし、NPOが「新しい公共」の担い手として本当に機能するかが問われていた んです。
 だから僕たちは「エクセレントNPO」という形で、NPO自体が質の向上を目指さないと、本当の意味での公共の担い手になれないと いうことを主張したんです。逆にいえば、NPO側にも問題があったんですが、その中でも大きな変化を作ろうという動きはすでに始まっ ています。その動きと政府の新たな公共を連動させると、強い市民社会ができると私は期待したのです。
 NPOの中にも、政府にすり寄っていくような動きがあって、非営利セクター側の問題もある。しかしやはり、市民社会と政府の距離と いうのはあるんですよ。政府に何でも依存するのではなくて、市民社会の一員として自発的に公共の担い手になるということが、私 たちに求められた、未来へのヒントだったんです。
 私はここまで来ると、こうした政策について、市民に声を聞く段階に来ていると思いますね。この政策決定プロセスでは危険です。

田中: そうですね。政策決定プロセスが見えないというのは、現政権が行うすべての政策に言 えることですが、こと市民の、当事者の政策ですから、プロセスを開いていくことが必要ですよね。具体的にいえば、幅広くパ ブリック・コメントを求め、私たちの方も、曖昧な政策については説明を求めていく。そのうえで、きちんとした議論の場を作っていく必 要がありますね。

工藤: 私たちが声を大にして議論を始めないといけないと思います。言論NPOはこれを契機に各政策の評価をやっていきたいと思います し、皆さんと一緒に公開型でも議論する場も創っていきますので、ぜひ期待してほしいと思います。

田中: 宜しくお願いします。今日はありがとうございました。

(文章は、動画の内容を一部編集したものです。)

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