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霞ヶ浦の水位上昇管理に対する申し入れ

(以下、引用です。)

霞ヶ浦のアサザが再び危機を迎えています。国交省の姿勢を変えさせなければ、
アサザをはじめとする湖の自然は壊滅的な影響を避けられない状況です。みなさ
まのご支援をおねがいいたします。           飯島 博

「霞ヶ浦湖岸植生帯の緊急保全対策評価検討会」の廃止と、
生態系に配慮した適切な水位管理に関する委員会の設置を求める要望書

国土交通省
霞ヶ浦河川事務所長 様            2009年11月13日  
                                          NPO法人アサザ基金
                        代表理事  飯島 博
                  
霞ヶ浦では絶滅の恐れのあるアサザをはじめとした植生帯の衰退が進んでいま
す。このままでは、アサザの絶滅は避けられません。大きな原因として考えられ
るのは、国交省が2003年から再開し、2006年から本格実施することに
なった冬期の水位上昇管理です(水位上昇によるアサザ等への影響があることは
国交省も認めています)。
 湖内のアサザ群落は冬期の水位上昇管理が本格実施されて以降に急激に減少し
ています。過去にも同様の事態が生じています。国交省が1996年の冬期から
実施した水位上昇管理に伴い、アサザは100487㎡(1996年)から、
10081㎡(2000年)へと約10分の1に激減し、絶滅寸前まで追い込ま
れました。(群落数は34から14に減少)
 この状況を受けアサザ基金が国交省に冬期の水位上昇管理の中止を申し入れた
結果、2000年から管理が中止され、同時に数万人の市民によるアサザやヨシ
の群落再生活動などが功を奏し、アサザは2006年までは増加傾向にありまし
た(25432㎡・2006年)。ところが、2006年に湖水位上昇管理が本
格再開されたのに伴い、アサザは再び減少傾向に転じ、今年までに約1万㎡も減
少しました(14441㎡・2009年)。群落数も14から9に減少していま
す。このままの状況が続けば、アサザの絶滅は避けられません。
アサザ群落の衰退は、国交省が2000年度から実施した「霞ヶ浦湖岸植生帯の
緊急保全対策事業」を行った地区(対策地区)でも同様に起きています。多くの
対策地区では、水位上昇再開後に群落が完全に消滅したり、再生が全く進まなく
なったりしています。
ところが、これらの対策地区への水位管理の影響を評価する「霞ヶ浦湖岸植生帯
の緊急保全対策評価検討会」(以下、評価検討会)では、この間のアサザ群落の
消滅や衰退について検討がされていません。同様に、衰退がはじまったアサザ群
落に対する保護や保全対策もまったく講じられていません。霞ヶ浦河川事務所
は、アサザ群落の衰退について、「科学的に解明する」(朝日新聞10月30
日)としていますが、実態は上述したとおりで、評価検討会においては水位上昇
と共に起きたアサザ群落の衰退等について評価も保全対策の検討も行なわれてい
ません。また、検討会に出席していた委員からの指摘もありません。
アサザ群落の保護と再生は、国交省が実施した「霞ヶ浦湖岸植生帯の緊急保全対
策事業」の主要な目的であり、その実現を図るための方策を検討することは評価
検討会の責務です。しかし、評価検討会は対策地区で2003年以降にアサザが
消滅したり、住民の努力にかかわらず再生が進まない状況について、科学的な原
因解明や保護対策の検討・提案等を全く行っていません。 
それどころか、今年6月には評価検討会の検討を経た国交省による実験によっ
て、アサザ等の再生を行っている緊急保全対策地区(境島自然再生地区)が破壊
される事態まで生じています。国交省の工事で、7年間にわたり地元小学生や市
民の努力によって再生した植生帯に重機が入り、無残にも破壊されてしまいました。
このような本来の事業目的を逸脱した国交省の事業についても、安易に容認する
だけで問題の指摘や評価ができていないのが「評価検討会」の実態なのです。
これまでに毎年開催されてきた評価検討会に出席している各委員(研究者)の発
言をみても、上述したような霞ヶ浦河川事務所の姿勢について問題を指摘した
り、緊急保全対策事業の本来の目的に則した議論を促す発言はありませんでし
た。その典型は、保全目標のひとつであるアサザ群落の衰退について指摘した
り、議論を促す発言が無いことです。
このように、国交省の方針を容認するだけで、アサザ群落の衰退についての科学
的究明の必要性について、提言すらできない委員らによって構成された評価検討
会は、全く機能しているとはいえません。これらの委員は、科学者や専門家とし
ての責務さえ果たしていません。
これらの状況をみても明らかなように、現在の評価検討会による「アサザ群落の
衰退についての科学的原因解明」を期待することは不可能です。
このような理由から、私たちは評価検討会は即時廃止して、霞ヶ浦の環境保全上
の最重要課題である水位管理について科学的な検討を行う新たな委員会を、研究
者や市民団体代表、漁業関係者等によって組織し、生態系保全や漁業資源保護、
治水利水などに配慮した適切な水位管理のあり方を検討することを求めます。
今年は霞ヶ浦で毎年秋の恒例となっていたアサザのお花見会を見送らざるを得な
くなりました。異変はアサザだけではありません。漁業者をはじめ多くの人々が
湖の異変に不安を感じています。アサザの衰退は霞ヶ浦全体の危機を知らせるシ
グナルです。長年多くの人々が再生に向けて努力を重ねてきたアサザ群落が次々
と消滅していく事態を、このまま放置するわけにはいきません。アサザは、これ
までに延べ18万人の人々が取り組んできた霞ヶ浦再生事業のシンボルです。国
交省はこのままアサザを絶滅させるつもりなのでしょうか。それは、生物多様性
の保全を無視するだけではなく、霞ヶ浦の再生に取り組んできた多くの子ども達
の夢や人々の努力を踏みにじる行為に他なりません。

以上の理由からわたしたちは、以下の申し入れをします。
1.霞ヶ浦湖岸植生帯の緊急保全対策評価検討会を速やかに廃止し、環境に配慮
した適切な水位管理を検討する委員会を新たに設置すること。
2.冬期の水位上昇管理を中止すること。
  
 上記の要望について、2009年12月1日までに文書にてご回答ください。
   
********************************
特定非営利活動法人アサザ基金

〒300-1233牛久市栄町6-387
電話   029-871-7166
FAX 029-871-7169
asaza(at)jcom.home.ne.jp
http://www.kasumigaura.net/asaza/
********************************

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