変質
ブログに書くべきか、忘れたほうがいいのか、長く悩んできましたが、記録と今後のために、書きます。
数ヶ月前のことです。 朝、オフィスへ出勤する途中、地下鉄の駅で乗換えをしました。
地下通路からホームへの下り階段で、私は歩いて降りていきます。 向かって左側には上りエスカレーターがあり、地下鉄から降りてきた多くの乗客がエスカレーターを上がっていきます。
ふと、18歳くらいと思われる女性に、後ろから40代後半と思える男性が、エスカレーターで殴りかかっている瞬間が目に入ってきました。
自動的に私は階段を下りるのを反転し、エスカレーターに沿って階段を上がり始めました。
女性は大きな荷物を持っており、すぐ走って逃げられず、地下通路で、男性は後ろから女性を何回も蹴り始めました。
階段を上がってきた私は追いつき、男性を取り押さえました。
男性は言語障がいがあるようでした。聞き取ると「地下鉄の車内で女性から危害を受けたので、仕返しをしている」と話します。
しかし「女性をエスカレーターの後ろから殴りかかったり、蹴ったりするのは、男としておかしい」と私は止めました。
駅員を呼ぶように女性に言いましたが、混乱した表情であることと、先を急ぐとのことなので、その場から逃がしました。
男性は、何か話しながらも、取り押さえられ続けているので、徐々に平静に向かいつつありました。
そのとき、「車内の様子を見ていた」という50代女性が私に近づいてきました。
「あんた、何でも女性が弱いと見るのはおかしいよ。 私は車内で見ていたんだ」
この言葉に男性は息を吹き返し、「なぜ邪魔をしたのか」と私に抗議を始めました。
男性が自分を持て余している様に付き合いきれなくなり、私はその場を離れました。
しかし、男性がホームに着いた私を追いかけてきます。 そして、蹴り始めました。
私は、非暴力を続けました。
すると、別の60代女性と思われる方が「私も車内から見ていたが、暴力はだめよ。 駅員さんを呼びますね」と、男性に話しました。
他者の意見に左右され、形勢が悪くなったとみた男性は、足早に消えていきました。
この女性は、私に近づいてきて、おっしゃいました。
「あんな人がいて、いやな世の中ねえ。 でも、正義をもっても、逆に刺されることがあるから、あなたも注意してね。」
勇気の声をかけてくださったこの女性に私は感謝をしましたが、私は繊細に、この女性に障がい者差別の意識があることも察していました。
苦い経験が残りました。 蹴られた箇所は、その後数日間痛みが続きました。
紛争の開始時から「駅員さんを呼んでください!」と、私が周囲に大きな声を掛け、情報戦を制しながら対処すれば、事態を改善できたのではとの教訓を感じました。
しかし、男性は今回で身の処し方を誤り、「障がい者は怖い人だ」というイメージを、地下鉄の乗客の方々に伝えてしまいました。
人間には善もあれば、変質して、誰もが暴行を始めかねないとも思います。
テロには、断じて屈してはならないと私は思います。
社会の仕組みとして、予防を進めねばと思いますし、社会起業家として、社会システム改善に貢献をしていきたく思います。
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コメント
こんなことが実際に起きうるのだと知り、愕然としました。そもそも暴力は間違いだと思いますが、それに対して暴力で応えることは、さらに不毛な結果を生みだします。「目には目を、歯には歯を」という言葉は、仕返しをする瞬間は気持ちがいいかも知れませんが、長期的には悪循環を生むだけです。
おっしゃるように、人を憎むのではなく、そういう状況の発生を許してしまった社会システムを改善するしかないと思います。大きな問題ですが、身近なところから、小さなアクションを重ねていけたら、そんな想いになりました。
投稿: momo | 2009/05/24 12:15
momo様
貴重なコメントを、ありがとうございます。
日常は善意の生き方をしていても、環境によって暴行へ向かうことがありえるのが人間と感じるようになりました。
おっしゃるとおり、身近なところから社会システムを変えていくのが大切と思います。
投稿: 田辺 | 2009/07/27 11:32