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「市民から生まれた国」「政府から生まれた国」

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写真は、上海万博が2010年に開催されるのに合わせて、大規模な市民会館を、上海市が建造し、「あと540日」という看板の様子です。

今回の訪問で、中国に対し、私を含めまして日本人がもつイメージが、バランスを欠いていたと気づきました。

「中国人は、自分勝手であり、人の言う事を聞かず、少し豊かになったらすぐ投機に走り、今やアジアの脅威である」との論を、日本のメディアでは目にします。

ですが、現地の上海に来てみると、人々は小さな家に住み、庶民的に暮らしています。 「上海の物価は高い」とぼやいています。

今回の訪問で、障がい者マッサージ師のお店に行ってみました。 店内は清潔感があり、しっかりしている印象がありました。

店内を歩いていて、ふと、「かつては何もなかった中国から、よくここまで、中国政府は仕事をしたなあ」と感じました。 心の問題はともあれ、物質的には豊かになった中国。

勿論、現在の中国政府への賛否両論はあると思います。 ですが、現在の日本政府に賛否両論があるのと同じで、私たちの国を、焼け野原から高度成長へ率いてきたのも、日本政府でした。

そのように考えると、世界には、「市民から生まれた国」と、「政府から生まれた国」の二種類があると気づきました。

前者は、フランス、アメリカのように、市民革命を経て、市民が国家を建設しました。 いわば、市民セクターから国家が生まれたケースであり、例えば、アメリカでは、NPOが、図書館や病院を運営する事例もあります。

後者は、日本や中国のように、明治維新等では、まず政府が中央集権をした統治を敷き、その後、官製企業をつくって、徐々に企業セクターが生まれます。

政府セクターと企業セクターの二つしかない時代が、長く続きますが、公害や災害という社会の課題を期に、3つ目として、市民セクターが誕生します。

中国の場合は、市民セクターは、四川大地震で始まったようです。 ただ、市民(Citizen)という概念は、一般的ではありません。

そして、この市民会館は、万博会場にも使用されるとのことですが、中国では、まず箱物にお金をかけるとのことです。

日本も、同じ経緯をたどってきました。 明治維新後、「西洋に追いつけ追い越せ」で、How(箱物や技術)の背後にある、What(思想や哲学)は見過ごして、まず箱物の建造に注力してきました。

今、哲学なき導入から、箱物や技術が暴走をはじめ、日本国中に道路があふれてしまいました。

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現地の市民会館の中で、「市民学校教室」という札をみつけました。 万博という海外へのPR目的もあるかもしれませんが、これから、どうなるのでしょうか。

一方、台湾問題についての中国人の心情についても、話を聞く機会がありました。

曰く、「中国人は、台湾を、死ぬ前に一度訪問したいと思っている。 国交はなく、決して訪れる事はできない。」 もちろん、中台のビジネスは活発になってはいますが、原則として直行便はありません。

台湾への深い想い入れが、中国にはあることを、知りました。

空港や、街中で、警官の姿を、よく目にします。 街頭の売店で、店主に詰め寄る警官の姿も目にしました。 店頭の雑誌の表紙の女性の姿が、よろしくなかったようです。

ただ、かなり厳格というわけでもなく、例えば、空港でボディチェックを受けたとき、地方出身でまじめそうな若い女性が、警察の服を着て、日本語で気を遣って、「大丈夫です」と、声をかけてくれます。

13億の人口をまとめていくには、外見でわかりやすい警官を、随所に配置しないと、「中国人は砂の集まりである」(孫文)との言葉もあるように、国家として難しいのでは、とも気づきました。

「市民から生まれた国」、「政府から生まれた国」、それぞれの歴史と事情があることを、今回の訪問で、感じました。

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