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人選

「社会起業家をテーマにしたセミナーを開催したいです」「雑誌で特集を組みたいです」「テレビ番組にしたいです」等、筆者の所に、なぜか様々のご相談が持ち込まれます。

「社会起業家の理論と実務の両方に明るい田辺さんに、ぜひ相談したいのです」。

今年は社会起業家元年と言われ、上記のような活発なご関心が社会起業家に向けられるのは、本当にありがたいこと、と一現場人として思います。

昨年までは「社会起業家って何ですか?」と、怪訝(けげん)な表情で世間様からの反応を頂いていたことからすると、劇的な変化といえます。

ただ、ご相談の内容が、どんどん専門的になっています。

「社会起業家を育成するセミナーを開催したいのです。 ですので、現場から遠い評論家や、若い学生に語るだけの先生というより、講師は、実務を切り盛りしてきた人に、お願いしたいのです。 実務で百戦錬磨の受講生相手に、成り立つセミナーにしたいのです。」

「わかりました。探してみます」と、筆者は、頭の中のデータベースで、検索を始めます。 社会起業のプロデューサーの気持ちです。

創業以来、過去5年、専門家としてお会いしたり、著作などを思い返し、えこひいき無く、実力だけで、誰が良いかと、人選に頭を悩ませます。

・社会起業家のダイナミズムを体現している人。

・リスクをとり、実行している人。

・社会を単位にした新しい工夫(ソーシャル・イノベーション)を起こしている人。

ふと、ある人が良い評判と聞き、筆者は期待して、その人のブログを調べてみました。

しかし、ブログは良い内容とはいえ、その人は平日は企業に勤務し、思いをブログに綴っていました。 つまり、リスクを引き受けてはいなくて、残念ながら、プレイヤーでは、ありませんでした。 

サッカー日本代表は、ボールを身内で回すばかりで、先へ行かない、と批評されることを聞いたことがあります。

社会起業家志望者の方々も、思いを語ったり、コンセプトを面白がることも大事ですが、その先へ進んでほしいのです。

現実に、社会の課題は、待ったなしで山積しています。 でも、能力があるのに、企業内や仲間うちで、ボールを回すだけでは、残念ながら、いつまでたっても、プレイヤーにはなれません。 社会の課題も、そのままです。

"The problem with the rat race is that even if you win, you are still a rat."

(ネズミレースにおける問題は、もしそのレースであなたが勝利しても、あなたは依然としてネズミであることだ。)

筆者もサラリーマン時代が長く、ネズミで、しかも落ちこぼれていました。

でも、ネズミは、社会の課題に突き動かされました。

「プレイヤーになりたい」と社会起業のドアをたたく方は、正解と思います。 一見、動機が不純そうですが、社会の課題に突き動かされ、ネズミレースと違う、新しいフロンティアに人間として移れます。

いささか長くなりましたが、人選の悩みも、解決しそうです。

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