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法人営業論

すべてのビジネスは、そのターゲットを何にするか、で2つのスタイルに分かれます。

(1) B to C (Business to Consumer、法人対消費者→消費者ビジネス)
(2) B to B (Business to Business、法人対法人→法人ビジネス)

(1)は、例えば商店街のお店や、スーパー、レストラン、カフェ等、消費者の方々に面してお売りするスタイルです。
商売を通じ、消費者のお客様に直接出会えるという良さがあります。 B to Cをやりたい起業志望者では、場のコミュニケーションを楽しみにしている方もおられると多くお聞きします。 買い物を頂いたら、レジですぐ精算する、現金取引です。

しかし、お店を建てる・借りる場合、箱物への不動産コスト(敷金・礼金・内装工事費等)がかかります。また、その資金を何とか手当てできたとしても、日々の稼動では、箱物(お店)を管理する人を配置する必要があります。人件費が、固定的に大きくなります。

しかし、消費者は成熟し、行くお店を厳選するようになりました。 かつてのように「店に品を置いておけば売れる」時代は終わっています。 ですので、地域の人気店までならないと、売上がジェットコースターのように乱高下しやすく、経営が不安定です。

日本各地で、社会貢献の要素を持つ小売店である、フェアトレードショップ、自然食品店、オーガニックカフェ、オーガニックレストランは、経営に苦戦しているところは珍しくありません。 「消費者はLOHAS(ロハス)を求めている、時代に乗った」と当て込んで開店しても、残念ながら、数年内で撤退する店舗が相次いでいます。 また、もしお店を存続させていても、売上の波が大きいので、従業員給与をかなり抑制しているお店もあるとお聞きします。 

実は、現状のわが国の社会起業家で、B to C のスタイルを選択している事業が、まだ大多数です。「社会起業は食えない」と言われますが、ターゲット選択に課題があると筆者は考えます。

(2)は、法人に対するビジネスです。 民間企業が会社として仕事を依頼し(発注)たオーダー(注文書)を、受けて(受注)、商品・サービスを作り、発注元の会社に納めます(納品)。

このスタイルは、信用取引になります。つまり、受注して、納品してから、請求しますので、この間、現金の流れは発生せず、会社同士で「すっぽかしは無いだろう」と信用しあって、掛けで、つまりツケで取引をしています。

掛けは、賭けです。 そこで、民間企業・自治体は「仕事をしましょう」と法人営業(対企業セールス)を受けても、まず即答することはありません。 セールス元の企業・団体が、本当に一緒に仕事をして大丈夫か、信じられるか、かなり検討します。 もしハズレの団体をつかんだら、大変なことになるからです。

「与信」とは、「信用を与える」ことですが、(1)の消費者からの信用は、意外にあっさりといただける場合があります。好きな人は好きだからです。しかし、(2)の法人からの信用は、会社としての判断が必要なので、極めて時間がかかる場合があります。しかも、前例が無い場合は、なおさらです。

ですが、法人営業に成功すると、継続して安定してオーダーをいただけます。 ですので、経営が安定し、従業員への給与も安定・向上しやすくなります。 そこで、経営の足腰を強化して、社会変革に向けて更なる事業拡大へつなげやすいと思います。 箱物コストを抑えられる可能性もあります。

そして、先進的な社会起業家で、法人営業への取り組みが始まっています。

「伝統ある大企業」とも言える生協と、いわば「ベンチャー企業」であるNPOフローレンスが連携NPO法人フローレンス
お客様相手のプレゼンテーションジャストレード株式会社
イー・エルダーは、企業から中古パソコンを、再生費用も合わせて寄贈してもらい、それを地域のNPOへ寄贈するという、法人営業の先駆けです。

筆者が運営者を務めるオフィスマッサージも、社会起業コンサルティングも、法人営業です。

日本は企業の国ですので、企業が変わらないと、日本も変わりません。

そして、企業の方々からも「NPOと本業で連携したい」「CSRに取り組みたい」と、変革への意思をお聞きします。

市民運動家・NPOの現場の方で「企業なんてダメです」と一刀両断する方も散見されますが、そうすぐ決め付けずに、法人営業を粘り強くやってみませんか?

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