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就職のパラダイムシフト

昨日、東京近郊で開かれた、ある国際貢献のイベントに筆者は参加しました。

会場で、20代後半の女性にお会いしました。 

都内のいわゆる有名大学(法学部)をご卒業し、数年民間企業で勤務後、何か違和感を感じて青年海外協力隊へ参加。 

中南米で2年間赴任後、初夏の日本に帰国されたばかりでした。 以来、数月間、求職中。

静かな語り口で、「浦島太郎みたいな感じです」。

まだ帰国したばかりで、赴任国と日本のギャップに戸惑うばかり、と話されました。

しかし、国際貢献への思いは熱く、専門的です。赴任国では、地域の様々な利害関係者の間の調整業務をされていたと話されます。

しかも、NPO法人ETIC.編の『好きな地域で仕事を創る』を読まれて、社会起業への関心を高くお持ちなのです。

国内でも、九州・水俣に行き、地域のあるもの探しを提唱する地元学にも親しんだと話されるのです。

いわば、地域おこしのプロジェクトマネージャーといえる、コミュニティ・プロデューサーの視点をお持ちの方なのです。
どんどんアクティブに出かけていく、渉外スキルが高い方です。こういう人こそが、地域の格差問題に現場で取り組めます。白眉です。

しかし、ご本人は、おっしゃいます。「私は、マーケティングを実務で学んで、アイデアを普及する力を強めたいと思います。でも、従来の民間企業では、地球に優しくないビジネスになると感じてしまい、マーケするとしても、納得できないモノは売りたくないのです。」

ごもっともです。

「でも、そんな自分は、もはや変わり者になってしまったのか、と帰国以降、一人で悩んでいました。」

そんなことはありません。

その話を会場で聞いていた、イベントの主催団体でもある、フェアトレードを行う有限会社(ネパリバザーロさん)で営業と広報の仕事をされている20代後半の女性社員の方が、次のように応えました。

「私も、大学卒業後、しばらくプラプラしていて、同じような感覚を感じ、ついに自分は変人になったと思いました。でも、その後、この会社に出会い、でも、自分が感じていた感覚と近い人に多く出会うきっかけを得られて、今、生き生きと働いています」。

就職でパラダイムシフトは起こっています。

かつて若者達は、大学4年生になると、OB・OG訪問をして、そのまま民間企業に終身雇用で、囲い込まれていきました。価値の均一化を追求し、例えば、異文化を持つ外国人・障がい者が来ると、黒船が来たかのようにびびってしまう人々になっていきました。

しかし、今、大学・大学院でしっかりいろいろ学び、海外にもどんどん出て行ける、それこそ、地球のどこででも働ける、新世代が出現しています。

でも、従来型の民間企業に入っても、地球も人生もただ磨耗するだけではと感じている、敏感な若者の感性。
社会起業に共鳴している、若者の感性。

今、そんな感性を活かせる企業が、日本で存在しない、と若者達に思われています。 

そして、海外に人材が流出していきます。

民間企業の皆様、イノベーションの芽を、摘まずに活かす事を、ぜひご一緒に考えられたらとの思いです。

少子高齢化が進む中、グローバル競争で日本が世界で闘っていくにも、現有戦力でいくしかないですが、どっこい、人材はいるのです。

パラダイムシフトは、チャンスです。

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コメント

はじめまして。どれも非常に興味深い記事内容で、もっと以前に出逢っていればと感じています。
社会起業を志す若者のブログを探してもなかなか見つからないのは、彼らが活動の拠点を海外に求め始めているからなのでしょうか。「この社会で何かをしよう」というエネルギーを効果的に生かせる場や仕組みがないというのは、われわれ若者には辛いことです。また、読ませていただきますね。

投稿: Shimazo | 2006/10/16 19:59

Shimazoさん

ありがとうございます!

ブログも拝見しました。
http://satobito.exblog.jp/

現場実感に、大変に共鳴します。

例えば「NPO幹部の最低条件」は、
http://satobito.exblog.jp/3561168/
まさに、このブログでも考えてきました。

経営力で、より良い世の中創りは可能と思います。

今後とも、よろしくお願いします!

投稿: 田辺 | 2006/10/17 12:54

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