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50歳直前の決断

地殻変動を、このブログでお伝えしてきていますが、
最近、二人のサラリーマンの方々にお会いしました。

【Aさん、男性、大手金融機関勤務、(49)】

Aさんは、都内ミッション系の大学を卒業後、金融機関に進まれ、
イギリス・アメリカ駐在など、国際畑のキャリアを築かれてきました。

また、自然環境への思いから、森を保全する
社会貢献プログラムを、社内で立ち上げられたりされていました。

お仕事は順風満帆。 ご家族とも円満なご様子です。

筆者は、CSRを追求する、新しい企業人のあり方を体現されている方と思い、
このまま、社内にとどまりつつも、輝かしく歩まれていくのかと、尊敬の念で思っていました。

ある日、Aさんは筆者との打合せで
「個人の話になりますけど、会社を辞めることにしました」。

意外な言葉に、どう反応しようかと筆者は思っておりましたら、
「自分は49歳。あと1年いれば、企業年金の受取額が格段に上がります。
でも、原油高の進行もありますし、チャンスは今しかないと思い、辞めることにしました」。

「次の職場は、バイオマスをビジネスとして促進するソーシャルベンチャーです。
大学発ベンチャーで、研究者集団でしたが、マネジメントできる人を必要としていました。
年収は格段に下がりますし、単身赴任になりますが、
将来の世代が喜んでくれれば良いと思い、決断しました」。


【Bさん、男性、大手出版業勤務、(48)】

Bさんは、編集を長くされてきて、今や編集長をされています。
ビジネス誌をご担当されているに関わらず、ご自身のご関心は社会起業で、
その専門誌にも、少しずつですが、関連するトピックを掲載し、
読者に新しいイノベーションを話題提供しようと、企業内から改革をされている人です。

Bさんの会社に筆者はお伺いしました。 実質、初対面でしたが、
いろいろ響きあいがあり、話に花が咲きました。

すると、「田辺さん、まだ出会って間もないですが、私、ソーシャルベンチャーを始めようと思うのです」。

・・筆者があっけにとられていると、「今の仕事も良いのですが、今後、仲間と
もっと現場寄りの社会起業の情報を発信する雑誌を作ろうと話しているんです」。

どうやら、50まで会社に勤務するという感じでもなく、
「50まで勤めれば、年金がいいのですが、
それまで待たずに、やりたいときに、やろうと思うのです」。


【メッセージ】

「100匹目のサル」という言葉があります。
たった一人で、水辺で芋を洗う若いサルの姿を、最初無視していた他のサル達が、その後、芋を洗うサルが増えると、ある数(100匹)を超えた瞬間から、一気にサル山中のサルが、芋を洗うようになる、という見解です。


グローバリゼーション、IT革命、世界を駆け回る金融、宗教戦争、中国参入による供給ショック。。

確かに、人類史上で、最も困難な経済社会に突入したと思います。

人心は乱れ、浮動社会が出現したと思います。

しかし、ソーシャル・イノベーションが生まれる、
史上最大のチャンスも到来していると、現場で実感します。

従来では形にならなかったイノベーションが、形になる確度が高まっています。
通らなかった提案が、通るようになっています。 それは、官民を問いません。


学歴も職歴も関係なく、実行あるのみです。 

ふてくされていた人に、チャンス到来。


ソーシャル・イノベーション革命が始まっています。

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社会起業家」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。サンケイリビング社主催の「壮年大学」、楽しく拝聴させていただきました。46歳、現役のサラリーマンです。このお2人のこと、講演でもされていましたね。ほぼ同世代として頭の下がる思いです。私もそういった活動に興味があります。ただ、まず考えるのは家計のこと。これまでの貯えなどタカがしれたもの。住宅ローンの残りの返済額のほうが多いくらい(涙!)

このお2人をはじめ、社会起業家と呼ばれる方々は自身や家族の生活をどう解決されているのでしょうか。町田洋次さんのブログでは
シリコンバレーでのアーリーリタイアメントによる社会起業の事例が紹介されていました。一定以上の資産をもった人が優先的にできるものなのでしょうか。

さもなければ社会的意義の高いことだから、個人の生活は多少我慢をして行うべきものなのでしょうか。

もしよろしければお教えいただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: ささやん | 2006/09/21 11:54

ささやんさん

コメントを、ありがとうございます。

サンケイリビングさんの講座にも、ご参加くださり、深く御礼申し上げます。


お問い合わせの件ですが、次のように感じております。

まず「社会起業をする」と「年収ダウン」は直結ではないと考えます。

確かに、ご研究のように、町田洋次さんのブログで、資産形成した人ならではの話が紹介されています。

しかし「資産家だから、社会起業できる」ともいえないと考えます。

つまり、現状資産が多いにせよ、少ないにせよ、ローンなど負債をお抱えにせよ、それは前提ではなくて、始める人は始めておられます。

つまり、従来の経済的動機よりも、社会の課題に突き動かされて、始めるのが社会起業といえます。

ただ、ご指摘のように、給与が良いのか悪いのかは、開業しないとわからない、ベンチャーでございます。

理念、戦略、事業計画、事業パートナー、ソーシャルマーケティング、財務会計。。すべてこれから創ることです。

これまでの社会起業家の方々は、家族の理解をまず得て、そして、もしも所得の落ち込みがあった場合、カバーできるよう、いろいろ事業を組み合わせて(機会損失をなくして)、食べている人が多いです。

しかし、一般的な収益追求のベンチャーと違い、事業性のみならず社会性も持つ、ソーシャルベンチャーへの金融機関の理解は遅いという、資金調達面の課題があると思います。

ですので、社会性への目利きを養うよう、金融機関への働きかけも、私は仲間達と始めております。

ただ、一番の肝要ではと思われるポイントを申しますと、お金は極論では、どうにでもなると思います。
「お金がかかっても、やらねばならないことがある」と社会起業家(尾瀬ドーフ・千明市旺社長)の言葉があります。

ただ、お金はどうにでもなっても、どうにもならないのは、情熱であり、いのちです。
いのちとは、年齢であり、人生に残された年数ともいえます。
起業のチャンス(情熱)も、「また次があるさ」と思うと、実は、もうやってきません。

かけがえのない日々を、企業にとどまるにせよ、自ら始めるにせよ、一生懸命に生きるしかないのでは、と感じております。


重ねて、お問い合わせを、ありがとうございます。

今後も、よろしければ、ぜひやり取りをさせていただけましたら幸いでございます。

投稿: 田辺 | 2006/09/25 23:06

お忙しい中、丁寧なご返答をありがとうございます。自分の人生設計をいろいろと考えてみたいと思います。

>ふてくされていた人に、チャンス到来。

この言葉、一部の現役サラリーマンや団塊世代のかたのココロに刺さりますね!

投稿: ささやん | 2006/09/26 11:03

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