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2005年3月 ハーバードビジネススクール 社会事業家大会

みなさま

こんにちは。

ハーバードビジネススクール(HBS)で3月に行われた社会事業家年次大会( Social Enterprise Conference)のご報告です。

まず言葉から。
わが国では社会起業家を呼ぶ場合で一般的な表現では、ソーシャル(社会)アントレプレナー(起業家)ですが、アメリカではその呼び方は現在あまり見かけません。むしろ、ソーシャル(社会)エンタープライズ(事業)。(ほかにも著名な大会としてナショナル・ギャザリングがありますが、同様に、ソーシャル・エンタープライズと呼ばれています。)

さて、主催は HBSのソーシャルエンタープライズクラブという学生団体と、公共経営大学院のケネディスクールです。(写真左はHBS、右はケネディスクール。いずれも当日撮影。)
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当日配布されたプログラム(英語版)です。
「program.pdf」をダウンロード

朝7時半に受付開始。場内は参加者が軽食を取れるようになっていて、名刺交換や歓談が方々で始まります。
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今年も1000人の参加。受付においてあった名札や会場で出会った人から、日本人は10名くらいでしょうか。大会の実行委員会(院生により構成)には、日本人の名前はありませんでした。 入場料は、在学生$35 ~ 学外実践者$110。

冒頭講演、基調講演は全員が入る大講堂です。
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各部会は200名ほどの教室で行います。
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終了の18時半まで盛況でした。

ポイントは3つと感じました。

(1)パネリストの多国籍企業のビジネスリーダー達(例:ブリストルマイヤーナイキ)は、わが国の経営者たちに対照的に、社会起業家を良く知っています。「マルチ・ステークホルダー」という概念を話し、市民団体(NGO)と地域社会(Community)を含めて認識しています。
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(2)大会は体系的でした。参加者は、社会起業家の実践者の話を聞くことをはじめとして、CSRや国際支援について語るビジネスリーダー達の話を聞けました。

(3)大学院(生)が主催する大会なので、前年度までアカデミックな色彩が強かったのですが、今年度は実践者のスピーカーの登壇が目立ちました。
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筆者は今年で3回目の参加ですが、今年からの新機軸は、"Pitch for Change Competition"という社会起業のビジネスプランコンテストです。学内外から応募した約20の院生グループが、第一次選考で30秒の口頭のみのプレゼンテーション。第二次選考では2分で上限2枚のスライドを使用したプレゼンテーション。
こんな短い時間で、と思われましたが、それでも実力は顕わになるもので、賞が与えられました。
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それにしましても、アメリカは、起業コンテストとなると実に人が詰め掛けます。
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授賞式での挨拶は、「社会起業家の父」といわれ、『チェンジ・メーカー』(渡邊奈々、日経BP社)にも登場する、アショカのビル・ドレイトン氏。
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日本が大好きな私としては、別にひいき目で考えたいわけでないのですが、こんな気づきがありました。

自然素材を使う家庭用品メーカーの社会起業家のスピーカーが、マーケティング戦略を立てて、P&Gやジョンソン&ジョンソンという競合他社に打ち勝つために、という話しをされていました。
確かに、事業性は大切ですし、わが国で花王さんやライオンさんに伍すような社会起業家はまだ現れていませんから、そのスケール観は見事で、大いに参考になりました。

でも、「あれ? ソーシャル(社会性)の深みが違う。。。」と気づいてしまいました。
例えば、自然と共存するライフスタイルを人間ができるようにするには、そもそも「買わない・使わない」という選択肢を素敵に提案することも、大量生産・大量消費・大量廃棄から脱皮するための重要なテーマと思います。
ビジネスの意味が変わらないといけない。 そこに到達する社会起業家は、大会では見つかりませんでした。

そして、日本の社会起業家の方々(NPO法人アサザ基金飯島博さんや、元スワンベーカリー増田秀曉さん、イー・エルダーの鈴木政孝さん、ビッグイシューの佐野章二さん。。。挙げていけば枚挙にいとまなし)も、スピーカーとして出て行っても世界水準で勝てると思いました。
パラダイム転換をしてしまった人たちだからです。

戦後復興を成し遂げて第二の経済大国となった日本から、スピーカーが出場することに、世界的な意義があると思います。
ご一緒にがんばりましょう!

 

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コメント

田辺さんお久しぶりです。
再開おめでとうございます!

まさどんのBlogでなんとなく田辺さんが再開したのではないかと言う気配を感じ、再開を確認したときは嬉しかったです。

ともかくお元気そうで何よりです。
もう軽々しく近況報告のお食事などを約束できないレベルで、仕事がとんでもない事になっているのですが、きっと田辺さんも尋常じゃないお仕事をされているのでしょう。

懐かしい名前も本文にみつけたり、ちょっと元気をいただきました。
今後のご活躍を是非書き続けてくださいね。

ではでは。

投稿: ラベル | 2005/08/06 04:29

ラベルさん

コメントを誠にありがとうございます!

http://blog.livedoor.jp/lovebeer73/
でのますますのご活躍、嬉しく拝見しました。

お互い、「尋常じゃない仕事」を楽しみましょう!

投稿: 田辺 大 | 2005/08/09 11:05

HBSの報告、おもしろくは意見しました。ソーシャル(社会性)の深みが・・という点はよく観察されていいて、なるほどというかやはりと思いました。道徳と倫理といった価値観の違いのような感じがしています。また、続きを楽しみにしてます。(私のHPは、3~4年更新してません)

投稿: 竹田茂生 | 2010/03/15 16:59

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